Columns by Eisuke Tomiyama
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papa, we miss you.

そもそも、人生なんてそれほど大層なものではない。
ならば思い切り盛大に生きてやろうじゃないか。
たとえその途上で力尽きたとしても……
そういう男には生きづらい時代である。
けれど海はそんな生き方を思い出させてくれる。

パパ・ヘミングウェイの作品はいくつも読んだ。
けれど、果たしてそれが自分にとって本当にリアルなものであったかは疑問だ。
なのにヘミングウェイは、いつも心のどこかにいる。

たとえばバハ・カリフォルニアの南端でマーリンをフックアップした時。
幾度引き寄せてもリールの逆送音をジージーと響かせながら逃げていく、ラインの向こう側にいる何者か。
ほんの30分も過ぎれば、それはもはや魚ではなく自分自身である。
すぐそこで鯨がブロウを上げても、そんなことはどうでも良いほどに疲弊していく自分。
そして、ラインで結ばれた両者が、絶望的な時間を共有する。

papa, we miss you.
けれど僕たちには、今も海がある。